GA4の問い合わせ数と受信箱のメール件数を並べると、数字が合わないことがあります。どちらかが壊れているように見えますが、まず疑いたいのは数字の定義です。
GA4が数えているのは、設定したイベント。受信箱が数えているのは、届いたメール。この2つの間には「フォームが送信を受け付けた」という段階もあって、実は3つの数字があります。
数字を合わせにいく前に、それぞれ何を数えているかを分けるのが先です。
この記事でわかること
この記事では、計測・フォーム・受信箱の3つを照合して、差が生まれている場所を絞ります。
- GA4と受信メールの件数が一致しない理由
- GA4の件数が多い場合、少ない場合の確認ポイント
- テスト送信で計測とメール配送を切り分ける方法
- 自分で確認する範囲と、設定変更を止めたい条件
GA4と受信箱は、そもそも同じものを数えていない
問い合わせが届くまでには、少なくとも3つの段階があります。
- 入力内容を送信する
- フォーム側で送信完了として処理する
- 通知メールが受信箱へ届く
GA4のイベントは、設定次第で1番のボタンクリックを数えることも、2番の送信完了を数えることもあります。受信メールは3番です。計測している地点が違うままでは、数字を比べても原因は分かりません。
たとえば、ボタンを押した瞬間にイベントが発生する設定なら、必須項目が埋まっていなくて送信できなかった操作まで数に入ります。逆に、フォームの送信自体は成功していても、GA4のタグが動かなければイベントは残りません。
CTAのクリックはあるのに、送信まで進んでいるか分からない。その場合は到達から実受信までの確認方法で、クリック後の1件を順に追えます。
だから「GA4の問い合わせ数」という名前だけで判断しないところから始めます。その数字が実際にどの操作を数えているのか。まずそこを確かめます。
3つの数字を、同じ期間で並べてみる
比べる前に、期間と数え方をそろえます。月をまたいだ問い合わせや、時刻のずれがあると、原因を探しているつもりが集計条件の差を見ているだけ、ということになりがちです。
| 確認する数字 | 何を数えているか |
|---|---|
| GA4のイベント数 | 設定した条件が成立した回数 |
| フォームの送信記録 | フォーム側で送信を受け付けた回数 |
| 受信メール件数 | 受信箱で確認できた通知メールの数 |
真ん中のフォーム送信記録は、使っているフォームによって残っていたり残っていなかったりします。記録機能がなければ、そのために新しくプラグインを入れる必要はありません。あとで説明するテスト送信で、GA4と受信メールを直接つなげます。
受信メール側で一つ決めておきたいのが、何を有効な1件とするかです。テスト送信、迷惑メールに入ったもの、営業メール、同じ人からの連続送信。これらを含めるかどうかで数字は簡単に変わります。
GA4のイベント数と「実際に商談になった件数」を並べれば、差が出るのは当たり前です。ここを混ぜると、いつまでも原因が見つかりません。
GA4のほうが多いなら、送信より手前で数えている
GA4の数字が大きい場合は、送信完了より前の段階でイベントが発生していないかを見ます。
送信ボタンのクリックを数えている
まず確認したいのが、送信ボタンのクリックを条件にしたイベントです。クリックを数えているなら、入力エラーで先に進めなかった操作も1件として記録されます。イベント名が「問い合わせ完了」らしくても、中身の条件がクリックなら、それは送信完了とは別の数字です。
完了ページを再読み込みしている
送信後の完了ページを計測している場合、再読み込みや戻る・進む操作で数字が増えていないか確認します。完了ページをもう一度表示しただけで増えるなら、問い合わせ件数とは分けて扱う必要があります。
複数のフォームをまとめて数えている
問い合わせ、資料請求、採用応募。これらが同じイベント名でまとめられていることがあります。受信箱では問い合わせだけを数えているのにGA4は全部合計、という状態なら、差が出て当然です。
テスト送信が混ざっている
制作時や動作確認の送信も、GA4には残ります。社内や制作者のテストを除外していなければ、その分だけ多く見えます。
メールのほうが多いなら、GA4まで届いていない
受信メールが多い場合は、フォームは動いているのにGA4へ記録が残らない条件を探します。
一部のフォームだけ計測している
パソコン用とスマホ用、ページ内とポップアップ内。似たフォームが複数あると、片方にしか計測設定が入っていないことがあります。受信メールの件名や本文から、どのフォーム経由か分けられると、切り分けが一気に早くなります。
送信方法とイベント条件が噛み合っていない
ページを移動せずに送信するフォームでは、完了ページの表示を条件にしたイベントは発生しません。ここは設定値より、フォームの動きとイベント条件の組み合わせを確認するところです。
Google Analyticsには、フォーム操作を記録するイベントもあります。問い合わせ完了として使うなら、対象フォームと発火条件を実際の動きに合わせます。
問い合わせや資料請求には generate_lead という推奨イベント名も用意されています。ただ、名前を変えれば正しく数えられるわけではありません。
送信が成功したときに、一度だけ発生する。この設定ができて初めて使える名前です。
form_submitが何を数えているか曖昧な場合は、問い合わせ完了にしてよいかを3パターンで確かめる方法も参考になります。
同意設定やブラウザ環境の影響を受けている
アクセス解析への同意前はタグを動かさない設定にしていると、メールは届いてもGA4には残らないことがあります。ブラウザの拡張機能や通信環境で、タグが動かないケースも考えられます。
なので「GA4に出ていないから問い合わせがなかった」とは考えないほうがいいです。受信メールとフォーム側の記録も残しておくと、あとで振り返れます。
私は数字が合わないとき、合わせにいく前に定義をそろえます。先に数字を寄せようとすると、たいていイベントを消すか足すかの話になって、過去のデータと比べられなくなります。
1件だけテスト送信して、どこで止まるか見る
数字の差を追うときは、設定に触る前に1件だけテスト送信します。今の動きが分からないまま変更すると、直ったのか、別の差が増えたのか判断できなくなるからです。
- テストした日時、ページURL、端末、ブラウザを控える
- 同意画面がある場合は、選択した状態を控える
- フォームにテストと分かる内容を入力して送信する
- 画面上で送信完了を確認する
- 通知メールが届いた時刻を確認する
- GA4のリアルタイム表示やイベント記録を確認する
テスト操作は一度にとどめます。ボタンを連打したり完了ページを何度も再読み込みしたりすると、その挙動自体が結果へ混ざります。
結果の読み方はシンプルです。1件送ってGA4が2件増えたなら、重複発火。メールは届いたのにGA4が増えないなら、イベント条件かタグの動作。
GA4は増えたのにメールが来ないなら、そこから先はフォーム処理とメール配送の話です。1回のテストで、原因のある区間まで絞れます。
自分で確認できる範囲と、設定変更を止めたい条件
期間をそろえた件数の比較、テスト送信、迷惑メールフォルダの確認、対象ページの整理。このあたりは、計測設定を変えずに確認できます。GA4でイベント名と回数を見られるなら、それも控えておきます。
反対に、次のような状態なら、イベントやタグを増やす前に一度立ち止まったほうがいいです。
- 何を条件にイベントが発生しているか分からない
- Googleタグ、GTM、フォーム側の設定が重複している
- 1回の送信で同じイベントが複数回発生する
- 同意設定を含めると、どの状態で計測されるか判断できない
- フォーム送信記録と通知メールにも差がある
設定を直すときは、変更前のイベント名、発火条件、テスト結果を残しておくと戻しやすくなります。数字を合わせるためにイベントを先に消すと、過去のデータと比べにくくなるので避けます。
数字の差だけでなく、流入やCTAを含めて導線全体を見直したい。その場合は5段階で切り分ける方法から確認できます。
おわりに
GA4と受信メールの件数が合わないときは、「イベント」「フォーム送信」「メール受信」を別々の段階として見てみてください。同じ期間で3つ並べて、1件テスト送信を追いかける。これだけで、差が生まれている場所はかなり絞れます。
イベントの発火条件やGTM、同意状態まで追う必要があるのに、今の設定が分からない。確認できた件数とテスト時刻があれば、何を1件として数えるかを決めるところからお手伝いできる場合もありますので、お気軽にご相談ください。



