GA4の「(direct) / (none)」は、URLを直接入力した人だけを表すものではありません。参照元やキャンペーンをはっきり判別できなかった訪問も含まれます。急に増えた時は設定を足す前に、増えた日、最初に開かれたページ、配信したリンクの順に確認します。これで本当の直接流入と、流入元が途中で失われた訪問を分けやすくなります。
この記事でわかること
この記事では、(direct) / (none) が増えた原因を切り分ける入口を整理します。
(direct) / (none)が示すこと- 最初に比べる期間とランディングページ
- UTM、リダイレクト、短縮URLで確認すること
- 直す必要がある状態と、そのまま見てよい状態
- 自分で進める範囲と、計測を止めたい条件
「直接入力した人」だけではない
(direct) / (none) は、GA4がセッションの参照元とメディアを判別できない時に表示されます。本当にURLを直接入力した訪問もあれば、メールや資料のリンク、計測情報が付いていないリンク、途中で情報が失われたリンクからの訪問も含まれます。
そのため、direct が増えたこと自体をエラーとは断定できません。名刺、PDF、ブックマークなど、もともと参照元が分かりにくい経路が増えただけ、ということもあります。展示会やセミナーの後にぽんと増えるのは、だいたいこれです。
先に確認したいのは、「いつから」「どの入口ページで」増えたかです。この2つが分からないままGA4の設定を変えると、原因と関係のない変更を重ねることになります。
1. 増えた日と、その前後を比べる
最初に、(direct) / (none) が増え始めた日を確認します。GA4の「レポート」から「集客」「トラフィック獲得」を開き、セッションの参照元/メディアで (direct) / (none) を見ます。
比較する期間は、増加前と増加後で同じ長さにします。広告、メール配信、SNS投稿、QRコード付き資料の公開など、同じ時期に行った施策も並べます。
日付が一致していれば、その施策のリンクを確認する手がかりになります。一致しなければ、別の経路や計測変更を疑います。数字の増加だけで原因を決めず、発生日と変更履歴を合わせるのが先です。
2. ランディングページで入口を絞る
次に、(direct) / (none) の訪問が最初に開いたページを確認します。ランディングページは、1回の訪問で最初に表示されたページです。
入口がトップページへ集中しているなら、ブックマークやURLの直接入力など、自然な直接流入の可能性があります。反対に、普段は直接開かれにくい深い記事やキャンペーンページへ集中しているなら、配信したリンクの計測情報が欠けていないかを見ます。
確認結果は、次のように分けておくと整理しやすくなります。
| 増えた入口 | 最初に確認すること |
|---|---|
| トップページ | ブックマーク、名刺、口頭案内など自然な直接流入 |
| メール専用ページ | メール内リンクのUTM |
| 広告用ページ | 広告リンクと途中のリダイレクト |
| PDFから案内したページ | PDF内リンクのUTMと公開先 |
| 複数ページへ分散 | サイト全体の計測変更や参照元の欠落 |
入口ページが分かると、確認するリンクの数を減らせます。
3. 配信したリンクのUTMを確認する
自社で配信するメール、SNS投稿、QRコード、PDFなどは、UTMパラメータを付けると流入元を区別しやすくなります。UTMはURLの末尾へ付ける、流入元・媒体・キャンペーン名などの識別情報です。
たとえば、同じメールマガジンでも、リンクにUTMが付いていなければ参照元を判別できないことがあります。配信に使った元のURLを開き、少なくとも utm_source、utm_medium、必要に応じて utm_campaign があるかを確認します。
気をつけたいのは、サイト内リンクへUTMを付けないことです。これ、良かれと思ってやってしまいがちなんですが、逆効果です。UTMは外の世界から入ってくるキャンペーンを識別する情報なので、サイト内の移動に使うと、内部のクリックが別の接点として混ざります。サイト内のボタンやリンクは、必要ならクリックイベントで分けます。
表記はチーム内でそろえます。newsletter、mail、email。同じメールなのに別の値を使うと、今度はレポート上で分かれてしまいます。私は使う値を先に一覧にして、そこから選ぶようにしています。毎回考えると、必ずブレるので。
4. リダイレクトと短縮URLで情報が残るかを見る
元のURLにUTMがあっても、途中の転送で消えることがあります。短縮URL、QRコード用URL、別ドメインを経由するURLでは、最終ページまでパラメータが残るかを確認します。
確認方法は難しくありません。
- 実際に配信したリンクを別のブラウザで開く
- 転送後のアドレス欄を見る
- UTMパラメータが残っているか確認する
- GA4のリアルタイム表示だけに頼らず、後日レポートでも確認する
転送の途中でパラメータが消えるなら、GA4側で分類を増やすより、転送設定や配信URLを直すほうが先です。
広告ブロッカーやブラウザのプライバシー保護など、利用者側の環境で流入元が分からなくなることもあります。正直に言うと、ここを全部きれいに分類するのは無理です。自社で管理できるリンクから整えて、残りは「そういうものだ」と割り切るほうが健全だと思っています。
設定を変える前に、計測全体を確認する
(direct) / (none) だけが増えたのか、GA4全体のセッションや問い合わせ計測も変わったのかを見ます。Google検索からの流入も同じ時期に減っているなら、Search Consoleで表示回数が急に減った時の確認を分けて行います。問い合わせ数まで急にずれているなら、流入元の問題だけでなく、タグやフォームの計測も確認範囲に入ります。
GA4の問い合わせ数と受信メール件数が合わない原因では、フォーム送信とGA4の数字を分けて確認できます。検索から人は来ているのに相談へ進まない場合は、検索語からフォームまでの導線確認へ進みます。
自分で確認できる範囲と、相談したい条件
増えた日、入口ページ、配信リンクのUTM、転送後のURLを確認するところまでは、設定を変えずに進められます。修正する場合も、まず自社で管理している一つの配信経路から試すと影響を追いやすくなります。
次の状態なら、設定変更を重ねる前に相談したほうが進めやすくなります。
- 増え始めた日が分からない
- 複数のドメインや予約サービスをまたいでいる
- タグやリダイレクトを誰が管理しているか分からない
- GA4の問い合わせ数と実際の受信件数も合わない
- UTMを直しても流入元が判別されない
過去のすべての流入元を後から特定できるわけではありません。これから判別できる経路を増やし、判断に必要な粒度へ整える作業になります。
おわりに
GA4の (direct) / (none) が増えた時は、直接アクセスと決めつけず、増えた日、ランディングページ、配信リンクを順に確認します。UTMがないのか、転送で消えるのか、自社では管理できない経路なのかを分ければ、必要のない設定変更を避けられます。
確認する場所が複数のタグやサービスへ広がり、自分たちだけでは追いきれない場合は、配信リンクからGA4までの経路を並べるところからお手伝いできます。



