「あとで読もう」と保存したPDF。開いてみたらページ数が多くて、そのまま閉じてしまう。気になる内容なのに、なかなか読むところまで進まないことはありませんか?
そんな資料は、先にAIの音声解説で聴いてみる方法があります。大まかな話を耳でつかんでから、気になったところを読む。1ページ目から順番に読む以外にも、入り方を選べるわけです。
今回は、資料を入れて日本語の音声を作る手順と、仕事で使うときのちょっとしたコツを紹介します。まずは、AIへ入れてよい資料を1つ用意すれば試せます。
読む前に、どんな話かを耳でつかむ
使うのは、Googleの「音声解説」という機能です。NotebookLMとして知られるサービスで、現在の公式サイトやヘルプでは「Gemini Notebook」と表記されています。
PDFなどの資料を渡すと、AIが要点を取り上げて解説する音声を作れます。日本語にも対応していて、「詳細」の形式では2人のAIホストが会話しながら説明します。
資料を一字一句読み上げる機能とは違い、話の順番や表現を組み替えて解説する仕組みです。そのため、音声に出てこない情報もあります。全部読んだことにするより、「この資料には、こんな話が書いてあるんだ」と見当をつける使い方が合っています。
たとえば、新しいサービスの説明資料を読む前に、何ができるものなのかを聴いておく。業界レポートなら、どんな変化が取り上げられているかを先につかむ。詳しい数字を追うのは、そのあとです。
最初は、あとで見返しやすい資料を1つ
いきなり大量の資料をまとめると、どの話がどこに書いてあったかを追いにくくなります。最初は、内容を少し知っていて、元の文章をすぐ開ける資料が扱いやすそうです。
たとえば、こんなものが候補になります。
- 自分で作ったサービス紹介の文章。初めて知る人向けに説明すると、何が中心の話になるかを聴く
- 利用条件を確認した業界レポート。全体の話を聴いて、詳しく読みたいテーマを選ぶ
- AIへの入力が認められた研修資料。受講前に用語と大まかな流れをつかむ
反対に、料金表の金額だけを知りたいなら、表を直接見るほうが早いこともあります。画面のどこを押すかを調べたいときも、音声より操作画面つきの手順書が向いています。
選ぶ目安は、「話の流れを知りたいのか、正確な1か所を探したいのか」。前者なら、音声解説を試す余地があります。
なお、Webで公開されている資料でも、自由にアップロードしてよいとは限りません。権利や利用条件を確認できるものを使ってください。顧客情報や社外秘の資料は、会社が認めたアカウントやルールで扱えるか分からないうちは入れず、自作の説明文などで試すと安心です。
PDFを入れて、日本語の音声を作る
ここでは、パソコンのブラウザでPDFを1つ使う流れを紹介します。Googleアカウントが必要です。職場で管理しているアカウントでは、管理者による利用設定も関係します。
- Gemini Notebookで新しいノートブックを作ります。ノートブックは、今回使う資料をまとめて置く場所です
- 「ソースを追加」からPDFを入れます。ここでいうソースは、AIが解説のもとにする資料のことです
- 「Studio」の「音声解説」を開き、形式と言語を選びます。まずは会話形式の「詳細」と「日本語」を選ぶと、音声解説の雰囲気が分かります
- 音声を生成し、できあがったら再生します。生成には数分かかることがあります
細かな表示が見つからないときは、音声解説の公式ヘルプで現在の案内を見てみてください。スマホアプリでは使える機能が異なる場合があります。
PDFのほか、WebページのURLや、コピーして貼り付けた文章も使えます。ただし、WebページをURLで追加しても、そのページの画像やリンク先まで一緒に読み込むわけではありません。最初は文章が中心の資料を選び、取り込まれた内容が元資料と合っているかを見てから音声を作ると、食い違いを減らせます。
有料プランなしでも利用できますが、使える量には上限があります。上限に達した場合は画面の案内に従って待つなど、使える範囲で試してください。
聴きたいことを一言足す
生成前のカスタマイズでは、「誰に向けて、何を中心に話してほしいか」を指定できます。
同じサービス紹介の資料でも、使い始める人と、社内への導入を検討する人では知りたいことが違いますよね。たとえば、そのサービスを初めて知る人に向けるなら、こんな指示が考えられます。
このサービスを初めて知る小規模事業者に向けて、日本語で説明してください。
何ができるのか、どんな仕事で役立つのかを中心に取り上げてください。
専門用語は、初めて出てくるときに短く説明してください。
資料に書かれている利用条件や制限は省略せず、書かれていない料金や効果は補わないでください。
業界レポートなら、「小規模な店舗に関係しそうな変化を中心に」。研修資料なら、「受講前に知っておきたい用語と、話の流れを中心に」。長い指示を毎回作るより、聴く目的を一つ伝えるところから始められます。
ただし、指示を入れても、そのとおりの内容や正確さが保証されるわけではありません。まず聴いてみて、知りたい話が出てこなければ、対象の章やテーマを絞り直す方法があります。
気になった数字や条件は、資料へ戻る
音声を聴いて「この機能は仕事で使えそう」と思ったら、そこで元の資料を開きます。
たとえば、「自動で集計できる」という説明が気になった場合。何を集計できるのか、対象のプランはどれか、別の設定が必要なのかまで分からないと、導入の判断には使いにくいですよね。
ノートブックのチャットで、気になった言葉を使って次のように聞けます。
この資料の「自動集計」について、利用できる条件が書かれた箇所を示してください。
対象プランや事前設定の記載も知りたいです。
資料に書かれていないことは、その旨を教えてください。
チャットの回答に付いた引用を選ぶと、資料の該当箇所へ移動できます。回答文だけで終えず、前後の文章や元の表も読んでみてください。音声で気になった言葉から、必要な部分へ戻るための使い方です。
AIの音声には、誤った説明や聞き取りにくい箇所が含まれる場合があります。金額、期限、契約条件など、間違えると困る情報は原文で確かめてください。聴きやすく話していることと、内容が正しいことは分けて考える必要があります。
最初の1本では、「全部覚えられたか」より「続きを読みたい場所が見つかったか」を目安にしてみてください。保存したままの資料から一つ選んで、読む前に聴いてみる。そんな入り方なら、後回しにしていた資料にも手を伸ばしやすくなるかもしれません。



