AIで作った画像や文章をホームページに載せる前に確認すること

AIで作った画像や文章は、生成できた時点でそのままホームページへ載せられるとは限りません。公開前に、使ったサービスの規約、入力した素材、既存作品との類似、人物やロゴ、文章中の事実、生成時の記録を確認します。

「AI生成だから自由に使える」「AI生成と書けば問題ない」と一つのルールで決めるのではなく、公開・保留・専門家確認の3つへ分けます。この記事では、法律論を広げすぎず、社内で実際に手を動かせる確認順を整理します。

この記事でわかること

  • AI生成物を公開する前に確認する5項目
  • 利用規約で見る場所と記録の残し方
  • 画像内の人物・ロゴ・既存作品を確認する方法
  • AIで作った文章の事実確認
  • 社内で公開せず、担当者や専門家へ戻す条件

最初に「何を、どこで、何のために使うか」を書く

同じ生成物でも、社内の検討資料に置く場合と、誰でも見られるホームページへ掲載する場合では扱いが変わります。先に次の4点を一行ずつ書きます。

  • 生成物:画像、文章、図、音声など
  • 掲載場所:トップページ、サービスページ、ブログ、広告など
  • 目的:説明、装飾、販売促進、事例紹介など
  • 公開範囲:社内限定、会員限定、一般公開

用途が曖昧なまま「使ってよいか」だけを調べると、確認する規約や権利の範囲も曖昧になります。広告へ転用する可能性があるなら、ブログ掲載だけでなく広告利用まで含めて確認します。

1. 使ったサービスの規約とプランを確認する

最初に見るのは、生成に使ったサービスの現行規約と利用条件です。AIサービスごとに、入力できる素材、出力の扱い、禁止される使い方、必要な表示、プランによる条件が異なる場合があります。

確認表には次を残します。

項目記録する内容
サービス生成に使ったサービス名
アカウント・プラン業務利用した契約の種類
確認したページ利用規約、サービス規約、公開・商用利用の案内
確認日規約を読んだ日
用途自社サイト、広告、印刷物など
不明点表示義務、禁止用途、入力素材の条件など

規約に「出力を利用できる」とあっても、第三者の権利まで自動的に解決するとは限りません。この二つは別の確認です。利用サービスとの関係と、画像や文章に含まれる第三者の要素を分けて見ます。

無料プランで試作し、有料プランで公開する場合も、どの契約状態で生成したかを残します。あとから規約が変わったときに、生成時点と公開時点を確認できるためです。

2. 入力した素材と指示を振り返る

出力だけを見ても、何を入力して作ったかは分かりません。生成に使った画像、文章、URL、商品資料、プロンプトを振り返ります。

特に確認したいのは次の状態です。

  • 他社サイトの文章や画像を、そのまま入力した
  • 購入素材や撮影写真を、AI入力へ使えるか確認していない
  • 特定の作品、キャラクター、作家名を指定した
  • 顧客や取引先から預かった未公開資料を入力した
  • 人物写真、ロゴ、商品パッケージを参照画像にした
  • プロンプトや履歴に個人情報・機密情報が残っている

「Webで見つけた」「社内に保存されていた」という理由だけでは、AIへ入力してよい根拠になりません。自社が作った素材か、許諾を受けた素材か、契約上の利用範囲に含まれるかを確認します。分からなければ、その素材を使った生成物は保留にします。

3. 画像は既存作品・人物・ロゴ・文字を見る

画像は、全体の雰囲気だけでなく、細部を拡大して確認します。文化庁のチェックリストでも、生成物を利用する前に既存の著作物と類似していないか確認する取組が示されています。AIで生成したという理由だけで、既存作品との関係を見なくてよいわけではありません。

既存の作品と似ていないか

特定の作品を連想する構図、キャラクター、特徴的な装飾、文章表現がないかを見ます。心当たりがある場合は、元の作品と並べて比較し、画像検索や文章検索でも確認します。似ているか判断できないまま、色や一部だけを変えて公開するのは避けます。

実在する人物に見えないか

架空の人物として生成しても、実在の人物に似る可能性はあります。有名人、社員、顧客を連想させる場合や、本人がサービスを勧めているように見える場合は公開を止めます。人物を使う必要がなければ、手元、道具、抽象図、風景などへ置き換える方法もあります。

ロゴや商品表示が紛れていないか

背景の看板、服、パソコン画面、商品パッケージに、実在のロゴや紛らわしい文字が入っていないかを拡大して見ます。読めない文字列も、そのまま公開するとサイトの品質を落とします。不要な要素は除き、必要なロゴは自社が管理する正規データを使います。

誤解を招く場面になっていないか

実際にはない店舗、設備、担当者、受賞、施工例を、実在するもののように見せません。装飾用のイメージ画像なら、事例写真や社員紹介の代わりに置かないよう掲載場所を分けます。

4. 文章は事実・数字・出典を原本へ戻す

AIで作った文章は、読みやすくても事実が合っているとは限りません。特にサービスページでは、料金、対応範囲、納期、地域、実績、保証、申込み条件を原稿の正と照合します。

次の内容が生成されていたら、原本がない限り削除または保留にします。

  • 存在しない実績、顧客事例、利用者の声
  • 確認していない件数、割合、効果、順位
  • 元資料にない料金、納期、返金・保証条件
  • 確認できない引用、調査名、参考URL
  • 法律や制度についての断定
  • 会社が承認していない比較や他社への評価

文章の確認は、ChatGPTの答えを事実・数字・出典に分けて確かめる手順を使うと整理できます。誤字を直す前に、読み手の判断へ影響する文を拾います。

5. 生成記録と公開承認を残す

公開時点で問題がないように見えても、あとから問い合わせを受けたとき、作り方が分からなければ確認できません。プロンプトを含めた生成過程を、あとからたどれる形で残します。

私は、次の内容を生成物と同じ管理場所へ残します。

  • 生成した日、使ったサービス、アカウント・プラン
  • 入力した素材の名称と利用根拠
  • プロンプトや主な指示
  • 採用した出力と、人が加えた修正
  • 規約、類似性、人物・ロゴ、事実を確認した人
  • 公開先URL、公開日、差し替え前のファイル
  • 保留した点と、最終的に承認した人

プロンプトへ個人情報や機密情報を含めてしまった場合は、そのまま共有記録へ複製しません。問題のある入力として社内ルールに沿って扱い、必要な担当者へ連絡します。

AIへ公開操作まで任せる場合も、確認済みのファイルと公開先を人が見てから実行します。送信・公開の直前に置く承認ルールで、作成と実行を分ける方法を整理できます。

「AI生成」の表示と、公開前の確認は別に考える

AI生成であることを表示するかは、使ったサービスの規約、掲載先のルール、取引条件、社内方針を確認して決めます。表示が必要な場面もあれば、説明を加えたほうが読み手に誤解を与えにくい場面もあります。

ただし、AI生成 と書いても、既存作品との類似、人物やロゴ、事実の誤り、入力素材の扱いは解決しません。表示の有無と、公開してよいかの確認は別です。

公開・保留・専門家確認を分ける

最後に、生成物を3つの状態へ分けます。

状態判断の目安
公開規約と用途を確認し、入力素材、類似、人物・ロゴ、事実、承認者に未確認がない
保留規約や素材の出どころが分からない、事実の原本がない、類似や人物について判断できない
専門家確認具体的な作品・人物・商標との関係、契約、権利、紛争など個別の法的判断が必要

社内でできるのは、確認材料をそろえ、明らかな不要要素を外し、未確認を公開しないところまでです。著作権、肖像、商標、契約などの法的可否を個別に判断する必要がある場合は、弁護士など適切な専門家へ確認します。

おわりに

AIで作った画像や文章をホームページへ載せる前は、利用サービスの規約、入力素材、既存作品・人物・ロゴ、文章の事実、生成記録を順に見ます。一つでも確認できなければ、公開日を優先しません。推測で埋めず、保留または専門家確認へ分けます。

法的な権利判断そのものはお受けできません。ただ、制作工程、人の確認項目、生成記録、公開承認の流れは整理できます。どこから手を付けるか決まらない場合は、お力になれるかもしれませんので、お気軽にご相談ください。

AI活用・業務改善相談を見る

SNS SHARE

はてなブックマークでシェアXでシェアLINEでシェアPocketでシェア